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塀修理1(古い土塀の簡易補修01)

かなり古い土塀の補修に関わった体験例です。

 

なぜ?大工が本職なのに、こんな事に手を出すのか?

自分でも解らない事が後では気付く事になります。


関わりの切っ掛けは土塀モルタル壁面の浮き剥がれの

対策から始まりました。

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過去に左官屋さんが大規模補修した後に

何度か?メンテナンスはしているようです。

しかし、なんども剥がれては塗り直す繰り返しになっています。

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古い民家では土塀が、まだ多く存在しておりますが今時、土ばかりで

元から作る事は少ない絶滅危惧の納まりかと思います。

土で本体を積み上げているだけか?中に石など骨格が有るのか?

中の構造は不明です。

 

最近の台風被害で土塀が倒壊した現場を見ましたが、

それは土と一部グリ石の積み上げだけでした。

 

長年持ち応えているのは土だけでは持たないはずなので

色々な工夫が隠されているとは思います。

表面上の補修は何度か関わった事がありますが、

とてもアナログ納まりの築造物かと思います。

土が基本ですし納まりがシンプルです。
 

土に直塗りしたモルタルは歪みや極端な負荷が掛かれば

徐々に剥がれます。

モルタルのセメント配合が強過ぎれば硬い強度は有りますが

収縮で歪みひび割れしたり反り返ったりします。

セメント配合が弱ければ、変形せず安定しますが脆くて

防水効果が弱くなります。

表面に防水塗装したりシックイ仕上などを、すれば

長持ちしますが、この現場では、していません。

よって自然に外壁モルタルには雨水などが浸透し湿気と

乾燥が繰り返され冬場は浸透した水分が凍結すれば膨張し

土とモルタルが剥がれやすくなります。

そこへ水分が溜まり再び凍結すれば徐々に外へ押し出され

大きく反ったり剥がれます。

雨水の侵入は外壁その物と屋根の防水不良から

浸透する場合もあります。

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色々と状況を見ると、この現場では上からの雨水の切れが悪く

外壁に浸透が主な原因なのに単に壁面だけ塗り替え補修した為に

何度も同じ結果を繰り返しているようです。

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よって壁面補修の前に土塀屋根瓦の現状を調べて、

そちらから先に着手する事にしました。

現状の屋根瓦は、かなり荒れています。

 

ヘタに手を付けると大変な事になる恐れがあります。

 

※余談ですが

 

普通は、この瓦の状態を見れば・・ほとんど業者は辞退するか?

断りたい意味で文化財保護予算ほどを提示する業者が居るかも?です。

 

私も当然・・お断り・・ご辞退の方向に傾きながら現場の瓦を

一部剥して見たり手を付けながら判断に迷いながらも居続けると

時間と共に古い素材が語り掛けてくる気がするのです。

(やめときなさいよ!。)

(貴方ごときの十分な年季を積んでいない者が!)

(今まで関わってきた業者でも最後まで面倒見れなかった!)

(貴方に、この現場は無理!!)

 

・・と嘲笑っていられているような気がして来るんです(笑)

それなら未知の領域を見せて下さい!・・教えて下さい!

・・と願うつもりで関わらさせて貰う事にしました。

かなりオソマツな独演舞台に↑なってます。(^_^;)

 

※本題に戻ります。

 

未知の領域に挑むのは・・ほとんど興味本位です。

 

事業的には採算性は無視した方向が強いのでリスク大。

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補修予算は最低限の内容で暫定的な簡易処置で

耐久性は問わない条件でならと手を付けます。

 

本格的に治すならねかなりの高額予算など、

とてつもない工事費となり御客様はビックリでしょう。

 

それでも耐久性には責任、持ちかねます。

 

むしろ予算は出すから本格的に直してと言われると・・

本手を探し、関わってくれるか?否か?で逆に困ります。

本格的な再生や修理ではなく応急処置的な内容の予定で

合意となり着手となりました。

 

ここからは発掘調査のような作業と臨時処置で

仮設納まりのつもりで実施となります。

 

楽しみは・・今までに関わった業者は・・

何処を見落としていたのか?

 

貴重な半面業者の失敗のを発見、入手できるのか?

ミイラ取りがミイラになってしまうのか?

・・の発掘調査となります。

 

次に進みます。