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木製ドアの円筒錠の調整やメンテナンス01

木製ドアの古いタイプで取っ手ノブ金物には、おおまかに

チューブラ錠と円筒錠の二種が多いです。

下図のようなチューブラ錠の場合は納まりが簡単で

メンテナンスにはあまり問題はありません。

問題は、下図の円筒錠タイプです。

 

その取っ手は部屋の外に錠が付いて部屋側は押しボタンのロック付で
部屋側からノブを回せば押しこんでいたボタンは飛び出し

ロック解除となり操作は、とても容易です。

しかしウッカリ部屋側の押しボタンを押したままドアを閉めると

外からドアが開けられません。

この機能は昔の木製建具の勝手口や玄関ドアにも多用されていました。

 

留守にする時は押しボタンを押してからドアを締めれば外からキーで

錠を掛けなくて取っ手ノブが廻らず施錠となり良い利便性でした。

しかし後年、この機能に問題が多く現れました。

 

まず防犯上で取っ手は施錠で回らなくても中のラッチは動くので

ドアと柱に隙間が有れば下敷きやカッターナイフの刃など薄い物を

差し込んでラッチを動かせばドアが開いてしまうのです。
 

この欠点は後の理由づけとしてキーを持たずに押しボタンを押して

閉めてしまい中に入れない時の解錠方法として必要性も多少ありました。

 

防犯対策としては薄板を差し込まれないように防犯ガードの

L型ステンレス金物を付け改善されました。

もう一つの課題は小さい子供が部屋にいる時に押すだけのボタンを

誤ってロックしてしまえばキーが無ければ外から大人が助ける為の時に

ドアを開けられない危険性が有ります。

 

そんな理由などで、いずれは錠付の機能が不要になり空錠取っ手に取替えか

ロック機能を無くしたい時が有ります。

 

そんな時の簡単な対処例と長く使用していれば自然に取っ手が

グラグラになる時も有りその修理対策も
兼ねた手順を以下に掲げます。

 

まずこの円筒錠は外す方法を知らなければ、まったくどうしょうもなく、

分解が出来ません。

部屋側の取っ手の首あたりに1~2㎜程度の小さな穴が開いており

奥に四角い突起が見えたら外せる条件になっている納まりです。
 

この穴にピンを差し込み突起を押しながら取っ手を引き抜けば

普通は外れます。

 

差し込みピンは千枚通しかアイスピックなど

無ければ太い目の金属クリップを一部伸ばしたり、

爪楊枝で代用も可。

取っ手を分解する時には、この外し穴が有っても中の突起が見えず

ピンを差し込んでも突起を押し込む感触が無い場合で

何度やっても外れない場合は化粧座金の向きが誤った位置に

納まっていれば穴と突起の位置が逆になって組み合わされており

合致していないのです。
 

色々な場所を無理やり外そうとして失敗して誤った方向で

化粧座金を被せると位置ズレとなります。

外し穴と中の突起が、ずれていれば化粧座金を浮かして外し

穴の向きを変えながら穴から突起を探します。


知識の無い人が触り途中で誤った戻し方をすれば余計に悪くなる例です。

 

この外し穴と突起物を合致させてから外すのが要点となります。

この外しかたは経験し体感的に覚えれば次回からは簡単です。

 

取っ手ノブが外れればガタツキ直しだけなら化粧座金を外し押え座金の

ビス二本が緩んでいるはずなので、それを締めればガタツキは直ります。

 

但し・・ビスは強く締めすぎると調子が悪化します。

インパクトドライバーなど強力過ぎる工具の使用は禁物です。

 

ノブのガタツキ直しが必要なく押しボタンの機能だけ不能にしたいなら
下図のように矢印の空間部分にティッシュ紙や買い物袋のナイロンなどを

箸などの先で強く詰め物をすれば機能しなくなります。
 

長期的にロック機能を壊すなら隙間にシリコンコーキング剤などを注入して

固まるまで半日以上放置すれば動かなくなります。

詰め物は押しボタン近くだけでよいです。

 

奥深くまで異物を詰めるとノブの回転やラッチ機能が不能になるので注意。

錠付の取っ手を錠なしの空錠に取り替えるなら詰め込みもせずに

全部バラシて空錠取っ手の部品に取り替えます。

取り替え時にはラッチの機能が壊れていなければ外さずに

ノブ付の本体だけの交換で済む場合も有ります。

すべて分解や取っ手のガタツキ直しをする場合は上図のように

化粧座金をマイナスドライバーで外します。

この化粧座金の位置があやまって取り付けられていれば最初の外し穴と

中の突起部分の位置ズレが有ります。

位置ズレの場合は180度の向きで取付ミスの場合が多いです。

こちらに見える状態が反対側に有る場合です。

下図のように外れた化粧座金は規定の角度以外でも

無理やり叩き込みば入ってしまうのです。

 

位置ズレになる原因です。

取っ手のガタツキ直しだけなら下図のように

ビスの締め付け直しだけで完了。

 

分解ならすべて外します。

最初についていた錠付ノブを空錠に取り替えたのが↓下図です。

 

フロントラッチは互換性が有り再利用可能ならそのままです。

押しボタンロック式の円筒錠を分解した部品構成は下図の通りで

シンプルですが機能的です。

まだまだ、このタイプは多くの現場で使われています。

ポイントは外し方です。
 

以上で説明した外し穴は下図↓のようなサッシ用の取っ手にも似た

ような位置と大きさで有りますが、まったく違う納まりなので注意。

以上のように外し穴は種別により様々ですが錠金物には

他にも似たような物が有りますので無理やり分解は禁物です。