かなり古い建物の外壁修理です。
隣地建物が解体撤去され今までには見えなかった
古い外壁が露出したので張替えの依頼がありました。
錆びた波トタンを剥がして木目風リブ鉄板に張替えします。
解体すると土壁下地が現れました。
土壁の構造が基本的にはどうなっているのか?・・
下図では、↓とてもよく解ると思います。
小舞竹(コマイタケ)が丸見えで土壁塗りが中途半端な状態です。
土壁の裏返し塗りがまったく、されていません。
この土壁の出来具合を評価するならば・・
小舞竹が桁まで届いていないのが欠点です。
本来なら桁の下場に少しでも穴を開けて縦の竹を
差し込むのが標準の納まりです。
どちらかと言えば・・手抜きの部類ですが
当時は物不足など色々な事情で仕方が無かったのでしょうね。
おそらく当時から隣接建物が有り裏からは
土壁が塗れるようなスペースが無かったのかも?。
しかし古い波トタンを外壁に張ってあるのは
多少の作業スペースは有り施工が可能だったはず。
土壁は裏表を塗り小舞竹が包まれていないと耐久性は劣ります。
年代がかなり古い建物なので当時は材料不足や
節約志向で見えない裏側は省いたのかも?。
筋違い(スジカイ)の補強も無く耐震的には、とても不安定で
弱い躯体構造です。
この建物は縦長なので、この面に筋違いは無くても
倒壊する危険は少ない部分なので今回の工程で補強はパス。
すぐ横には大きな壁面が有りますので当時では
後付けの目隠し壁、程度の目的だったのでしょうか。
今回の外壁下地にはドウブチ材を標準打ちとして下地作り。
普及品タイプのVリブ木目鉄板を張り終えて完了。
見栄えは、かなり良くなりました。
街中の密集条件などの境界付近は、
このような納まりが各所で残っています。