建具の開閉不良も終盤となりました。
この現場事例は建物本体の構造、躯体での原因で
柱が下がりドアの建付け不良です。
二階の通路から部屋への入り口ドアが悪くなった正面の下部です。
一階は昔の間取りでは定番とされた続き間で
和室の8、6間と云われる間取りで間境のフスマを外せば
14帖の大広間になる設計で、この二階に通じる通し柱です。
一階の柱は大広間を優先の為に柱の本数や耐力壁が少なく
耐震力には弱みの有る昔ながらの設計。
それは柱の本数不足だけではなく二階床梁の
タワミ下がりも有り別な問題事になる事もあります。
構造上での根本的な対策は無理なので除外して簡易対策の隙間防ぎとして
薄い部分と厚いサイズが必要となる斜め加工した
打ち足し化粧木材を取り付けました。
上のカモイは斜めになったまま直す事は出来ませんので
変形転びの斜め隙間を同じ巾の隙間になるように削ります。
その画像は取り忘れましたので有りません。
斜め削りすると高さが下がり隙間が大きくなるので
建具の天場に5~6㎜のモヘヤ隙間防止のパイルのテープを貼りました。
アルミサッシの引き違い建具と網戸の重ね部分に
大きな隙間が有る時に使用する物です。
スポンジ製のクッションテープは柔軟性に欠けるので、
この繊維タイプが最適。
これでドアの斜め転びの削りや打ち足しモノ取付対策は終えました。
大きな隙間は減り少しマシにはなりましたが
敷居に付け足し物なので見た目には今一です。(^_^;)
それを、もっと解り難くしようと思えばドア建具を新品で作り直して
斜めの転びになった変形で形を合わせて斜めなりに納めれば
この仕上げよりは良くなりますが・・費用は2~3万アップします。
古い建物で二階で人目に付きにくい場所なので、
そこまでコストは掛けたく無いとの御希望。
今までの大きな隙間が有った事を思えば、これで十分との事です。
ドアの斜め転びの隙間対策は終えました。
次は締めた時に把手のラッチ受けのストライク金物に
ラッチの高さがずれて入りません。
そこで金物プレートを外してラッチの入り口を
金ノコで5~6㎜ほどタテに少し切りました。
材質はステンレスなので固いですが金ノコの刃を突っ込み
持ち手の位置を決め根気よく切断。
そして柱側に入り込むようにペンチで折り曲げてから
元の位置に付け戻しです。
縦切りは金ノコで、なんとかなりますが横切りを手作業では
至難の業で電動工具でも危険。
この場合は縦切り込みだけで後は曲げ折りが簡単で早く
金物プレートの強度も残ります。
プレートの加工が面倒ならプレートの取付位置を
上にズラすだけでも可能ですが
掘り込み後の古傷が下に見えてくるのと
下側の取付ビスのバック下地が無くなり
固定不良になり別対策が必要になるのが目に見えています。
よって、この切断、折り曲げ加工が有力となります。
これで、すでに掘り込み取り付けて有った受け金物を
全体にズラした場合には柱に大きな傷が見える事も無く
ドアを閉めた時にラッチはスンナリと納まりました。
ちなみに同じ現場ですが別なドアの把手が空回りしたり
ノブが、すっぽ抜けして困るとの事の別件でしたが良く見ると
イモネジが外れて無くなっていました。
この画像は↓下から上を見上げた角度での撮影です。
回転する握り玉ノブを離すとノブの下側に
イモネジが来る位置だったので上からの通常目線では
ビス止めになっている納まりさえ見えない状態でした。
しかも常に下向きなので緩みやすく、
やがては抜け落ちたと思います。
別な代替えビスが有ったので代用で固定出来ました。
以上が柱根が基礎や地盤の沈下によって
構造、躯体の柱自体が下がる事例の参考画像でした。
次はドアの開閉不良対策事例6/6に続きます。
お楽しみに。