前ページからの続きです。
まずは室内の床養生と足場作りで
古天井板を一部剥がして内部の状況を確かめます。
雨洩りと長期間放置の湿気でフワフワの合板は
手で押せば簡単に剥がれます。
フワフワに痛んでいる直ぐ上が二階の外部通路で防水不良の土間。
その巾だけの範囲が激しい痛みとなって現れています。
予算の関係でその部分だけの張替となります。
剥がして内部を見ると予想通りの状況。
中間には二階の床梁。
これが二階の外壁を受けている胴差し兼用の床梁。
いまでは使用しない破裂しやすいVP給水管も沿っているので
破損しない様にあらゆる注意が必要。
中間の床梁までの範囲を張替えなので後の古い天井板は残し
壊さない様に丁寧に剥がし、張り継ぎ開始。
この張り継ぎ位置なら、もしも後から残りの張替が
追加変更になっても張り足しが容易。
さすがに色は大違い、普通の居宅ならこんな中途半端な補修はせず
全面張替となります。
壊して建て替えたいオーナー様と
綺麗に修理しても家賃が高騰するより
綺麗にならなくても良いから安い家賃で入居を続けたい・・
施工業者だけの提案では全面張替えを、お勧めしますが
オーナーと入居者の都合では合致しない事も有り。
入居者様とオーナー様と補修業者での妥協点が有ります。
・・この辺りが・・まさに三方良し!です。
入居者様が、とても綺麗になったと喜んで頂いたのが
せめてもの救いになった現場です・・が。
これは一過性の暫定補修なので根本的な雨洩りは解決していません。
台風などで吹き込みが有れば浸み跡が又始まるでしょう。
入居者様にも事情を説明してあるので承諾済み。
天井が張替前のように再びフワフワになるには20年以上だと思います。
躯体の安全性を考慮すれば、おそらく10年先頃には
限界状況がさらに増すと思うこの物件。
最低限のコストで維持する目的を大優先としながら
次の屋根補修への別件として繋がります。
次に替わります。