古い木造共同住宅の雨洩り対策に関連した
施工例で別件としての参考例です。
躯体の耐用年数によって処置内容には限界が有ります。
補修をしても別な部分に問題が多く残れば
建物全体と使用目的によっては費用対効果が得られず
ムダになる事があります。
補修をしても何年後にはどうなるか?を
常に見据えて判断しましょう。
古い木造共同住宅で雨洩りする、この現場で
大きな課題は屋根の耐久度合いです。
現状では瓦棒板金葺きですが現状調査すると錆びが激しく
張替時期も、とっくに過ぎています。
外壁のモルタルも剥離して脱落しているので非常に危険な状態。
外壁がこんな状態なのは建物全体で耐久限界が伺えます。
本来なら瓦棒板金葺きも新品に張替とモルタル外壁も
落して塗り替えが妥当ですが・・
そこまでしても他の問題点が多過ぎるので
オーナー様の意向で暫定処置しかしません。
この瓦棒板金葺きは葺き替えや二重被せは、せずに
サビ落しのケレンをして塗装で持たせます。
幸い昔の古い板金は厚みが有るので多少のピンホールや
クラックでも上手く行けばコーキングの防水処置と
塗装の併用でで5~10年は持たせられます。
サビ落しせずなら早く安く塗装できますが
2~3年しか持たないでしょう。
サビ落しも思い切り削り過ぎると穴があくので
手加減しながら下地ケレン処理が必要。
強力な電動工具は危険なので手加減しながら
ワイヤーデッキブラシなどでのケレンが無難。
狭い所は小さなワイヤーブラシで
コツコツと地味な下地の改善作業。
ケレンした粉末はホウキやエアーブロワーなどで
吹き飛ばせば簡単ですが
隣地に飛散したら大変な問題事になります。
面倒でも最終的には掃除機で吸い取るのが無難。
大きな屋根で面積が広いのでケレン途中で雨が降れば
雨洩りが現状よりも激しくなるので
穴あきやクラック部分は早めに埋めて
早めにサビ止め塗料をすみやかに塗ります。
よって全面的には手を付けずその日にサビ止め塗装が
出来る範囲に留めて順次、工程を進めるのが無難です。
この現場では対処人数と面積の関係で3日間に分ける事に
なりましたが天候にも恵まれ、ちょうど良いペースで
安全な工程となりました。
次は仕上に進む。