特寸サイズのアルミテラス波板屋根の修理事例です。
最近はポリカーボネートの平板納まりが多くなっていますが
波板系はアルミ下地と木製下地でまだまだ健在。
波板系の補修原因のトップは固定不良。
木下地なら古い笠釘の樹脂笠が劣化して
押え効果が無くなるのが多いです。
アルミ下地でも古いタイプはワンタッチフックの樹脂が
流行しましたが同じく劣化してボロボロとなり押えが効かず
強風で波板が剥がされたりバタバタ音が生じます。
木下地系はステンレス笠釘が普及してからは劣化は無くなり
信頼は増えました。
木製下地の弱点は桟木をドウブチ材など薄物を使用していたり、
すでに古くなって腐食気味の構造材を取替えず、
そのまま使用している場合は
強風ではバタバタ音や剥がれのトラブルとなります。
アルミ下地でフック納まりのトラブルは鉄製フックボルトの
パッキンが劣化し遊びが出来て
やはり強風でバタバタ音が発生する事例が多いです。
ステンレスフックボルトになって錆びは無くなりますが
パッキンの劣化による遊びで音が生じるのは
パッキン素材の宿命で今の所は処置無し。
そもそもステンやポリカなどフック本体は錆びや劣化しない
フック部品が主流になりましたが昔の納まりでは最初から
フック足の長さが適合していない場合も、かなり存在します。
フック足の長さは約19~25mm程度の範囲で
3~4種類の長さに分かれます。
この選択を誤ると短過ぎると止めにくいし強引に押え付けると
波板の上部が陥没や変形して雨洩りします。
長過ぎると最初からガタガタで押えが効かないので意味がありません。
この現場など各種メーカー別にアルミ母屋材の断面形状によって
フック足の長さが異なります。
厳密に言えば波板の一枚部分と継ぎ手の重ね代の厚みや枚数によって
フック足の長さは僅かに違います。
横の継ぎ手だけなら二枚重ねで約1㎜増し程度なので
一枚用と兼用も可能です。
しかし縦継ぎ手の納まりは四枚重ねになる位置は
4㎜増しの長さが必要で1枚用と兼用は不可能。
下図は編集加工で斜め端がカットされています。
したがって同じ現場でもフック足長さは重ね納まりによって、
それぞれの長さでの本数が必要となります。
アルミ下地の場合は波板素材を張る場合は納まりによって
水下、水上、両端の四辺に対する施工仕口に工夫が必要な場合も有り
別な機会にアップできればと思います。
最近では大きな亀の甲羅型のカサにフックでは無く
ビス止めが主流になりつつあります。